
筑波大学の村上和雄名誉教授は、笑いが持つ健康への効用を
科学的に実証するために、生活習慣病の一つとされる糖尿病に着目しました。
糖尿病の指標となるのは「血糖値」です。
村上先生は、血糖値はストレスが加わると上がる、
つまり、イライラとか苦しみとかの「悪いストレス」が加わると
上がるのだから、「良いストレス」である「笑い」が加われば
下がるのではないかと考え、実験をしたのです。
実験は、2003年(平成15年)に、中高年の糖尿病の患者に協力してもらって、
2日間にわたって行なわれました。
初日は、昼食直後に40分間専門的な講義を受けてもらい、
翌日は、同じく昼食直後に40分間、
漫才コンビのB&Bのテンポのよい漫才を鑑賞して
たっぷり笑ってもらう(本当に大爆笑だったそうです)というものでした。

B&Bと 村上和雄先生
それぞれ、食前と講義・漫才鑑賞後では、ほとんどの人の血糖値の上昇が
大幅に抑えられた(大笑いした人ほどその効果は大きかった)のです。
食事の後は、正常な人でも血糖値が上昇しますが、糖尿病の患者は急激に上がります。
初日の講義の後の血糖値は平均で123mg(血液中100ml中)上昇したのに対し、
漫才鑑賞後は77mgしか上昇しなかったのです。その差はなんと46mg。
これまでは、糖尿病患者の血糖値上昇を抑えるには、インシュリン注射をするか、
食事制限をするか、あるいは運動をするかくらいしか手段がなかったのに、
それが大笑いをしただけで大幅に抑えられたというのは、
まさに画期的な実験結果と言えるでしょう。
ちなみに、この実験結果を発表した後、村上先生のところには、
こんな問い合わせがあったそうです。
「B&Bという薬はどこで売っているのですか?」

出典「笑う!遺伝子・笑って健康遺伝子スイッチON」 村上和雄


